STAFFスタッフ
撮影/神藤 剛
監督・脚本・原作
細田守
Hosoda Mamoru
1967年生まれ、富山県出身。1991年に東映動画(現・東映アニメーション)へ入社。アニメーターを経て、1999年に「劇場版デジモンアドベンチャー」で映画監督としてデビュー。その後、フリーとなり、「時をかける少女」(06)、「サマーウォーズ」(09)を監督し、国内外で注目を集める。11年にはプロデューサーの齋藤優一郞と共に、アニメーション映画制作会社「スタジオ地図」を設立。「おおかみこどもの雨と雪」(12)、「バケモノの子」(15)でともに監督・脚本・原作を手がけた。「未来のミライ」(18)(監督・脚本・原作)で第91回米国アカデミー賞長編アニメーション作品賞にノミネートされた。「竜とそばかすの姫」(監督・脚本・原作)は自身の監督作品歴代1位の興行収入を記録。第74回カンヌ国際映画祭カンヌ・プルミエール部門に選出された。
細田守 コメント
2011年4月にプロデューサーの齋藤優一郎が細田守と共に、映画制作を行う拠点として設立。スタジオ地図は、アニメーション映画を企画・制作するスタジオであり、そのスタジオ名には「これまで描かれていないモチーフやテーマ、そして表現にチャレンジして、まだまだ無限に可能性が広がるアニメーション映画という大地に新しい地図を作る」という映画制作に対する精神が込められている。
https://studiochizu.jp/
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『時をかける少女』
劇場公開日
2006年7月15日主な受賞歴
海外映画祭出品歴〈国内〉
日本アカデミー賞
最優秀アニメーション作品賞〈海外〉
シッチェス・カタロニア国際映画祭
釜山国際映画祭
アヌシー国際アニメーション映画祭
ニューヨーク国際子ども映画祭
ブリュッセル・アニメーション映画祭
他多数 -
『サマーウォーズ』
劇場公開日
2009年8月1日主な受賞歴
海外映画祭出品歴〈国内〉
日本アカデミー賞
最優秀アニメーション作品賞〈海外〉
ロカルノ映画祭
シッチェス・カタロニア国際映画祭
ドバイ国際映画祭
ベルリン国際映画祭
ニューヨーク国際子ども映画祭
シドニー映画祭
アヌシー国際アニメーション映画祭
他多数 -
『おおかみこどもの雨と雪』
劇場公開日
2012年7月21日主な受賞歴
海外映画祭出品歴〈国内〉
日本アカデミー賞
最優秀アニメーション作品賞〈海外〉
シッチェス・カタロニア国際映画祭
BFIロンドン映画祭
ドバイ国際映画祭
ニューヨーク国際子ども映画祭
ストックホルム国際映画祭
シアトル国際映画祭
ザグレブ・アニメーション世界映画祭
他多数 -
『バケモノの子』
劇場公開日
2015年7月11日主な受賞歴
海外映画祭出品歴〈国内〉
日本アカデミー賞
最優秀アニメーション作品賞〈海外〉
トロント国際映画祭
サン・セバスティアン国際映画祭
BFIロンドン映画祭
シッチェス・カタロニア国際映画祭
台北金馬映画祭
ニューヨーク国際子ども映画祭
北京国際映画祭
他多数 -
『未来のミライ』
劇場公開日
2018年7月20日主な受賞歴
海外映画祭出品歴〈国内〉
日本アカデミー賞
最優秀アニメーション作品賞〈海外〉
カンヌ国際映画祭
監督週間・正式上映作品
アヌシー国際アニメーション映画祭
サン・セバスティアン国際映画祭
シッチェス・カタロニア国際映画祭
アニー賞
長編インディペンデント作品賞受賞
長編アニメーション脚本賞ノミネート
ゴールデン・グローブ賞
アニメーション映画賞ノミネート
アカデミー賞®
長編アニメーション映画賞ノミネート -
『竜とそばかすの姫』
劇場公開日
2021年7月16日主な受賞歴
海外映画祭出品歴〈国内〉
日本アカデミー賞
優秀アニメーション作品賞〈海外〉
カンヌ国際映画祭
プルミエール部門 ※プレミア上映
ロカルノ映画祭 キッズアワード
ニューヨーク映画祭
BFIロンドン映画祭
アニー賞
長編インディペンデント作品賞受賞
などノミネート
シッチェス・カタロニア国際映画祭
名誉賞 `
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作画監督
山下高明
Yamashita Takaaki
1967年生まれ。東映動画(現・東映アニメーション)でアニメーターとして活躍。『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』(00年)や『ONE PIECE ワンピースTHE MOVIE オマツリ男爵と秘密の島』(05年)などに作画監督・原画で参加し、細田守監督作品を長く支えてきた。現在はスタジオ地図所属。スタジオ地図作品では『時をかける少女』(06年)で原画、『サマーウォーズ』(09年)でレイアウト設計、『未来のミライ』(18年)で画面設計、『おおかみこどもの雨と雪』(12年)、『バケモノの子』(15年)、『竜とそばかすの姫』(21年)で作画監督として参加している。
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キャラクターデザイン
Jin Kim
1959年生まれ。アニメーター。ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオで、数多くのキャラクターデザインを手掛ける。『塔の上のラプンツェル』(11年※以降、日本での公開年)、『ベイマックス』(14年)、『アナと雪の女王』(14年)、『アナと雪の女王2』(19年)でメインキャラクターのキャラクターデザインを担当。細田守監督作品では『竜とそばかすの姫』(21年)でCGキャラクターデザインを担当。
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キャラクターデザイン
上杉忠弘
Uesugi Tadahiro
1966年生まれ。イラストレーター。セツ・モードセミナー卒業後、企業広告や書籍、雑誌の表紙等を手がける。コンセプトアートで参加した映画『コララインとボタンの魔女』(09年)では、日本人の受賞は初となる、第37回アニー賞最優秀美術賞を受賞。『ベイマックス』(14年)、『リメンバー・ミー』(18年)など、数多くのディズニー・ピクサー作品でコンセプトアートを務める。「ポケモンコンシェルジュ」(23年)ではコンセプトアートのほかキャラクターデザインも担当した。
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CGディレクター
堀部 亮
Horibe Ryo
1974年生まれ。2001年にデジタル・フロンティアに入社。フルCGアニメ『ぼのぼの クモモの木のこと』(02年)にCGデザイナーとして参加。ゲームムービー「鉄拳5 DARK RESURRECTION」(06年)や、映画『蛇にピアス』(08年)などのCGディレクターを担当。細田守監督作品では『サマーウォーズ』(09年)で仮想世界OZのCG、『おおかみこどもの雨と雪』(12年)では背景を動かす自然描写、『バケモノの子』(15年)、『未来のミライ』(18年)、『竜とそばかすの姫』(21年)のCGディレクターを担当した。
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CGディレクター
下澤洋平
Shimozawa Yohei
1976年生まれ。2003年にデジタル・フロンティアに入社。「鉄拳5」「白騎士物語」「バイオハザード ディジェネレーション」等のCGムービーに参加。「鉄拳タッグトーナメント2」「大乱闘スマッシュブラザーズ」のCGムービーや、『映画ドラえもん のび太の宝島』(18年)等でCGディレクターを務める。細田守監督作品では、『サマーウォーズ』(09年)にCGシニアデザイナー、『バケモノの子』(15年)でCG監修、『竜とそばかすの姫』(21年)でCGディレクターとして参加している。
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CGディレクター
川村 泰
Kawamura Yasushi
1974年生まれ。2000年にデジタル・フロンティアに入社。SFを得意とし、『アップルシード』(04年)でアニメーション・ディレクター、『エクスマキナ』(07年)、『魔法遣いに大切なこと』(08年)、「ULTRAMAN_n/a」(15年)やゲーム等でCGディレクターを担当。『GANTZ:O』(16年)では監督を務め、第73回ヴェネチア国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門に出品された。
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美術監督
池 信孝
Ike Nobutaka
1965年生まれ。日本を代表するアニメーション美術監督。今敏監督の全アニメーション作品、『PERFECT BLUE』(97年)、『千年女優』(02年)、『東京ゴッドファーザーズ』(03年)、テレビアニメ「妄想代理人」(04年)、『パプリカ』(06年)で美術監督を務める。2003年東京国際アニメフェアでは『千年女優』、同2004年では『東京ゴッドファーザーズ』で美術賞を受賞した。細田守監督作品では『竜とそばかすの姫』(21年)で美術監督として参加している。
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美術監督
大久保錦一
Okubo Kinichi
背景美術会社で背景、美術監督補佐などを経てフリーランスに。現在、タワークレーンスタジオ代表。TVアニメ・劇場版「TIGER & BUNNY」シリーズ(11~14年)やTVアニメ「LOST SONG」(18年)などで美術監督を務める。その他、「山賊の娘ローニャ」(14年~15年)、『プロメア』(19年)、『シン・エヴァンゲリオン劇場版:||』(21年)などにも参加。細田守監督作品では『竜とそばかすの姫』(21年)で美術監督補佐を務めた。美術監督として参加した『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』が公開予定。
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美術監督
瀧野 薫
Takino Kaoru
東京藝術大学デザイン科卒業後、自身の作品制作とともに、専門学校講師やゲーム背景のモデリング、実写映画のマットペイントを経て、『星を追う子ども』(11年)、『言の葉の庭』(13年)、『旅するぬいぐるみ』(15年)、『君の名は。』(16年)、『天気の子』(19年)、『すずめの戸締まり』(22年)などで背景美術、「大成建設」のテレビCM(11・20年)で美術監督を務める。書籍の表紙絵やポスターの美術なども手掛けている。細田守監督作品では『竜とそばかすの姫』(21年)で背景美術として参加している。
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色彩設計
三笠 修
Mikasa Osamu
1962年生まれ。『獣兵衛忍風帖』(93年)、『メトロポリス』(01年)、『猫の恩返し』(02年)、「神撃のバハムート」(14・17年)、「宝石の国」(17年)等の他、多くの劇場作品やTVアニメで色彩設計として長年活躍。細田守監督作品では『おおかみこどもの雨と雪』(12年)をはじめ、『バケモノの子』(15年)、『未来のミライ』(18年)、『竜とそばかすの姫』(21年)で色彩設計として参加している。
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撮影監督
斉藤亜規子
Saito Akiko
STUDIO4℃で長らく劇場作品や短編作品のCGI監督を務め、代表作は『音響生命体ノイズマン』(97年)、『スプリガン』(98年)、「アニマトリックス」(03年)、『鉄コン筋クリート』(06年)、『ベルセルク 黄金時代篇』(12~13年)など多数。『火の鳥 エデンの花』(23年)等ではCGI監督のほか演出も担当した。スタジオ地図作品では、「明治安田」のテレビCM(24~25年)にCGI監督として参加。Truss Houseで参加した短編オムニバス映画『エッジ・オブ・タイム』が第38回東京国際映画祭で新作披露される。
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音 楽
岩崎太整
Iwasaki Taisei
音楽家。細田守監督作品では『竜とそばかすの姫』(21年)で音楽監督/音楽として参加。代表作に、映画『モテキ』(11年)、『巨神兵東京に現わる』(12年)、『ファーストキス 1ST KISS』(25年)、Netflix映画『新幹線大爆破』(25年)、TVアニメ「血界戦線」シリーズ(15~17年)、「ひそねとまそたん」(18年)、Netflixドラマ「全裸監督」シリーズ(19~21年)、「First Love 初恋」(22年)などがある。『モテキ』で第35回日本アカデミー賞優秀音楽賞を受賞。『竜とそばかすの姫』で第45回日本アカデミー賞最優秀音楽賞、第36回日本ゴールドディスク大賞サウンドトラック・アルバム・オブ・ザ・イヤーを受賞。
参加ミュージシャンLINK
『生きるべきか、死ぬべきか。それが問題だ』今、世界のあちこちで起こる争いや戦争の光景は、「地獄」のように凄惨なものだ。
この悲劇を前に、大人も若い人も子供も、未来に希望や明るさを持てないでいる。
先の見えない不安な世界で、私たちはどう生きるべきか。それが問題だ。
世界中の誰もが、答えを求めている。
父を殺された中世デンマークの王女スカーレットが、復讐に失敗して堕ちた「死者の国」で、仮死状態でやってきた現代日本の看護師の青年と出会い、旅をする。
王女の最終目的地は、「見果てぬ場所」と呼ばれる天国のような所。そこにいる絶対に許せない父の仇に復讐すること。
もしできなければ、虚無となり存在が消え去ってしまう。血だらけ泥だらけになりながら、彼女は父の仇を追い求める。
現実主義な王女と理想主義の青年は、何もかも対照的で、事あるごとに衝突する。
だが旅の中で、両者は対立を超え、やがて信頼とささやかな愛情を育むことになる。
果たして王女は、憎き父の仇に、復讐を果たすことができるのか?
それとも青年は、復讐を超えた人生の価値を、王女に示すことができるのか?
復讐劇の古典、シェイクスピアの『ハムレット』は、「生きるべきか死ぬべきか」、つまり、より自分らしい生き方とはなにか、を説いた。
400年後の現代でも、私たちは同じ問題を突きつけられている。
先の見えない今、私たちの苦悩と葛藤、そして希望はどこへ向かうのか。
不自由の中で自分らしく生きることができず、自由を求めている人は老若男女を問わずたくさんいる。
映画『果てしなきスカーレット』は、死者の国を旅する男女が「生きる」ことを見つける物語である。
血と泥にまみれた死者の国を描くのは、生きづらい現実の切実な反映であり、逆説的に現世を肯定したいがためである。
「死」を描く、とは、つまり「生きる」を描くことなのだ。
人は何のために生きるのかを問う、骨太な力強い映画を目指したい。 今、この「生きる」という大きなテーマを、観客と一緒に考えたい。
―― 細田守